普段は「美味しいこと」をメインでお伝えしているおかわりJAPANが、今回の記事は「美味しいこと」プラス「体にいいこと」も紹介する企画です。
ご飯のお供だけでく、
お米がもつポテンシャルをお伝えいたします。
1:【雑穀米ユーザーも必見!】五つ星お米マスターが教える美味しいお米の炊き方
2:朝ごはんに雑穀米を食べよう【五つ星お米マスターsakiのお米の美味しい話part2】
3:腸から美人に!健康のための米ぬか利用法「いりぬか」|【お米マイスター直伝】
に続き五ツ星お米マイスター、発酵マイスター・プロフェッショナルの saki (@saki_kome)さんに教えてもらいました。
第4回は…
ぬか漬 です。
近年、ぬか漬がちょっとちょっとしたブームになっていますよね。
「ぬか漬男子」って言葉も使われるくらいですからね。
お米のプロと発酵のプロ、2つの角度からの教えてもらうぬか漬の魅力。 それではどうぞ。
みなさん、煎りぬかと雑穀ごはんライフを楽しんでますか?
さて、今月は、米ぬかと聞けば、みなさんからの答えが一番多い「ぬか漬け」についてお話ししようと思います!
一番、ピン!とくるのに、実は、現代のご家庭で作ったりしている人は、ほとんどいないというのも「ぬか漬け」です。
そこでこの話を読んで「なるほど!」と思って、気軽に始めていただけるきっかけとなっていただければ嬉しいなと思います。
たくあん漬けにぬか漬け、一般的にごはんのお供として知られる日本のお漬物は、江戸時代に発展しました。
江戸時代、元禄のころには、庶民も米を精米して食べる習慣がついていました。
ぬかが簡単に手に入る環境にあったため、ぬか漬けは、すぐに広まってご家庭の手作り漬物として広まりました。
余すことなくお米の栄養を身体に取り込んだ先人の知恵には脱帽ですね。
素晴らしい調理グッズも何もない江戸時代にどの家庭でも作っている、そんなお手軽なお漬物ですから、
気軽にチャレンジ出来そうですよね。
でも、ぬか漬けっていったい身体にどんな効果があるの?栄養は?と疑問に思うことから、まずは一緒に解いていきましょう。
1:ぬか漬けの健康効果
1-①. 整腸・腸活でイキイキ!
1-②. たっぷりビタミンで疲れしらず!
1-③. リラックスした良質な睡眠で気持ちのいい朝を!
2:ぬか漬を作るための"ぬか床"の作り方
1:ぬか漬けの健康効果
1-① 整腸・腸活でイキイキ!
ぬか漬けといえば植物由来の「乳酸菌」の宝庫。
植物由来 の乳酸菌は、よく聞くヨーグルトなどの動物由来の乳酸菌と比べて、少ないエサや塩分を含む環境下でも負けないでしっかり育つたくましい菌たちなのです。ご自分の手で毎日混ぜることで、ご自分の腸内環境にぴったりな善玉菌を増やしてくれる乳酸菌が育ちます。
また、乳酸菌の働きを助ける酪酸菌も腸内の悪玉菌の繁殖を抑えて、腸内環境を整えてくれます。毎日のお通じもスッキリ、免疫力がアップして、お肌にも効果的です。
また、酪酸菌は、脂肪がたまるのを防いで脂肪燃焼を助けることから、ダイエット効果も期待されている注目の菌のひとつです。
1-② たっぷりビタミンで疲れしらず!
ぬか漬けはビタミン、ミネラル、食物繊維がいっ ぱい。
特に米ぬかに最も多く含まれるビタミン B1がお野菜に何倍にもなってプラスされます。(たとえば生の大根に比べ、ぬか漬けにすると、B1は約17倍に!)
ビタミン B1を毎日のぬか漬けで続けて摂ることで疲労回復にも効果があります。
また、老化を防ぎ、シミをなくすビタミン E に、熱に弱いビタミン C もぬか漬けだと過熱しないでそのままお野菜を頂けることから、野菜自身のビタミンはもちろん、ぬか床からの成分もたっぷりと加わって効果的。
食べやすいぬか漬けで豊富なビタミンを身体に取り入れて、ストレスに負けない健康的な毎日を送りましょう。
1-③ リラックスした良質な睡眠で気持ちのいい朝を!
第 3 回でもお話ししましたが、米 糠には GABA(γ‐アミノ酪酸)が含まれています。
さらにぬか漬けにすることで、乳酸菌との相乗効果で GABA の成分がアップ。GABA は、脳への神経伝達物質。
脳の興奮を抑えて、リラックスモードにしてくれます。安心した深い良質な眠りを誘うためには、夜ご飯でぬか漬けを頂くのがおすすめです。
ぬか漬けには前記した酪酸菌や酵母の働きで作られる豊かな風味が、ごはんに添えられるととても後を引くおいしさ。
アルコールなどとも相性のいい風味なので、お酒のあてにも。お腹の調子も整い、リラックスした深い眠りで、気持ちの良い朝をお迎えいただけることと思います。
2:ぬか漬を作るための"ぬか床"の作り方
こんな身体に良い「ぬか漬け」、本当に簡単に作れるの?と思いますよね。
私のぬか漬け教室の体験談からすると、コツコツ毎日混ぜて大切にぬか床と向き合うのは、男性の方が得意なようです。
ご主人と仲良くぬか漬け、というのも会話が弾んで楽しいかもしれませんね。
早速、作ってみましょう!
大したルールはないです(笑)ほんとに。悪い菌が多くならないように、保存性と美味しさ
のバランスだけ整えていれば、とにかくあとは毎日顔を洗うように、ぬか床に触れ合う。
それだけです。
準備するのは、まずお米専門店などで「米ぬか」を。
私は、今回、邪魔にならないくらい小さいものをいつものホーローのぬか床とは別に仕込んでみました。
米ぬかに対してお塩は「13%」これ、いい塩梅です。15%くらいに書いてる本もあれば、10%くらいにしてる健康本も見たことがあります。
悪い菌が優勢にならない、それでいて、塩辛くならない。そんな塩加減が 13%です。
この時期は、部屋の中でも暖房直撃でなければ、涼しいと思うので、外で仕込んで 10 日ほどでできると思います。
もう少し冬らしく寒くなると、2 週間くらいで出来上がると思います。
材料をまとめてみましょう。
【材料】
米ぬか 500g
塩(あらじお)65g(きっちり量らなくていいです。70g でもよし!)
お水 ペットボトル 1 本(500ml~600ml くらい)
こぶ 10 ㎝くらい
赤唐辛子 1 本
捨て野菜(白菜・キャベツの外葉や、大根・ニンジンを剥いた皮など)
① 厚手のビニール袋(大きなジップロックでも)にぬかとお塩を入れます。今回私は、 300g のぬかに 40g のお塩でやってみました。プチ床です、本当に。
② 袋を片手でしっかり閉じて、お塩がビニール袋覗いてもわからないくらい全体にぬか と混ぜ合わせます。
③ 糠と塩が混ざったら、そこへお水を足していきます、500g のぬかでやれば 500g のペ ットボトルがたぶん 1 本でちょうどいいくらいと思いますが、加減は見ながらやってください。
お水を加えて、袋の外から揉んで、糠になじませていきます。
粘土遊びくらい(手の中に入れて、ギュっとしたときに親指と人差し指の間からニュっと出てくるくらい)になじんだら、赤唐辛子(そのままでいいけど、私はポキッと半分にして、中の種を取ります)とこぶを埋め込み、捨て野菜を漬けこみます。
④ ビニールの中の空気をしっかり抜いて、口を閉じます。ジップロックだと閉じやすい ですね。
ぬか漬け用のホーロー容器など大きめの容器があって、大きめで挑戦したい方は、米ぬか 1 ㎏にお塩 130g とかで作ると、大きめのビニールでなじませたものを容器に入れて、しっかり押さえこんで、一番上を平らにします。
※ぬか漬用のホーロー容器
乳酸菌・酪酸菌は酸素を嫌うので、元気な状態を保てるように、空気をしっかり抜く意味でこうします。
容器に入れて作る場合、酪酸菌は、容器の底の方で活発に増えていきます。
良い風味づくりに欠かせない菌ですが、増えすぎると悪臭になりますから、毎日かき混ぜるのがポイントです。
⑤ 出来上がるまでは、一日朝晩と二回、かき混ぜて、どちらか一回、捨て野菜を交換し ます。
この時、お野菜に少し水っぽさがある時は、その水分は乳酸菌の宝庫ですから、ギュっと絞り込んで、ぬか床に混ぜてください。
⑥ 10 日目くらいで、香りがぬか漬けの風味になってきたな、と思ったら、本漬に入りま しょう。初めのころは、朝つけて、夕食に食べることができます。塩分が強めで、すぐに出来上がります。キュウリなど、漬けやすいお野菜で挑戦してみてください。
ぬか床が減ってきて「足しぬか」を行います。
漬けていくうちにベチャベチャの水が出てくるので、キッチンペーパーなどで拭き取ります。
そのうちに糠も減ってくるので、そこで糠を足していきます。
今回は、新鮮な「生ぬか」で作りましたが、代わりに第 3 回でマスターした「煎りぬか」を足しても風味が増しておいしいです。(煎りぬかは粗熱を取ってから混ぜてくださいね)
足しぬかを行った際はお塩もパラパラっと足してください。お塩の量はだいたい足したぬかの1割。
美味しいお野菜でおすすめ夏の枝豆(ゆでてさやから出した枝豆をお茶パックに入れて漬けてみて!ビールにもよく
合います。 )
冬のりんご(カットして皮付きのままぬか床に漬けこんで。こちらも断面をきれいにするには、お茶パックに入れるといいです。大きいぬか床なら、そのまま半分を入れて、長めに漬けこんで、食べる前に切っても。)
最後に、私たちの腸に合う乳酸菌たちに良質なエサは難消化性の糖質、つまり「食物繊維」です。
ぬか漬けもぬかや野菜の持っている乳酸菌が野菜やぬか床の糖質をエサに増えていきます。
身体に合った良質な乳酸菌たちをイキイキさせるために、美味しい食物繊維を白米より手軽にたくさん取れる「雑穀」は、腸活に欠かせないアイテムの一つ。
美味しい手作りのぬか漬けとともにおかわり JAPAN さんおすすめの「ごはんがおいしい雑穀米」を囲んで、家族で楽しい晩ごはんを頂いて、ゆっくり良い眠りにつける幸せ。
まずは、おいしいごはんと米ぬかをお米専門店でゲット。そして、おかわりJAPANさんのサイトの「ごはんがおいしい雑穀米」で今日からあなたも腸活うきうき米ぬか生活を!
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1978 年 2 月創業、株式会社米由にて 41 年、米穀店の長女として米に携わる。
飲食店の調理炊飯の相談を受けることも多数であったため、 2012 年(平成 24 年)2 月、調理炊飯鑑定士資格を取得し、企業様向けのセミナーなども行う。
2017 年に発酵マイスター資格を取得、海外(タイ、ジャカルタ)へもご依頼を頂戴して、米ぬ かや米こうじ、ライスミルクといった米の発酵食についてのセミナーも行う。
お米、米ぬか、米こうじなど、日本型食生活に欠かせない主食のすばらしさを皆さんにこれ からもお伝えしていけるよう励んでまいります。
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参考文献
「著書名」 監修者・著者(敬称略) 発行所
「みんなが知りたいシリーズ⑫」 発酵・醸造の疑問 50 東京能郷大学応用生物科学部醸
造化学科編 株式会社成山堂書店
「漬物をまいにち食べて元気になる」宮尾茂雄編 株式会社キクロス出版
「dancyu」11 月号 プレジデント社
「図解でよくわかる発酵のきほん」株式会社 誠文堂新光社
「「漬け物の科学と健康」小池五郎・小泉武夫・小川敏男・篠原和毅・板倉弘重・辻啓
介・前田安彦 株式会社漫画社
「乳酸菌でからだいきいき!おウチでぬか漬け」宮尾茂雄 株式会社日東書院本社
「うきうき米ぬか生活」大坪研一 日本米穀商連合会
「誰も教えてくれない発酵食のすべて」五明紀春 株式会社エクスナレッジ
「今日からはじめる菌活習慣」角 謙二 株式会社枻出版社
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以上、腸から美人に!健康のための米ぬか利用法2「ぬか漬」でした。
実は私、Myぬか漬は過去に2度ほど挫折してるのですが三度目の正直でもう一度やってみようという気持ちが高まってきました。
自分で編集していていうのもなんやけど、こんな有益な情報を無料で読めるブログでほかにはないで!!